内部監査でゆるく働く

元うつの内部監査人がゆるい働き方を追求するブログ

USCPAがうつになって監査法人を1年経たず辞めた話

USCPA試験合格をパスポートに監査法人へ転職をしたいと考えている方は多いと思います。僕もその一人でした。

 不合格を重ねて何度もくじけそうになりながらもあきらめずに学習を継続し、やっとの思いでつかみとった全科目合格。その後、念願の監査法人に転職をしました。内定をもらえた時は、やっとここまで来れたんだと実感でき、本当にうれしかったです。会計のプロフェッショナルになるという目標を追いかけるはずでした。

 

しかし、入社して9か月目の朝、急に布団から起きられなくなりました。体が言う事を聞かず、頭痛と吐き気がとまらなくなりました。会社は休みました。外出ができる状態まで回復をした後、心療内科に行きました。うつと診断されました。業務復帰は難しいと医者から告げられ、休職することにしました。

 

休職期間中は回復に努めましたが、復職できるレベルまで回復できなかった為、監査法人を辞めました。

 

なぜうつになったのか、原因は過重労働でした。具体的に言うとこんな感じです。

 ・月70時間以上の時間外労働

 ・睡眠不足(徹夜もしました)

    ・土日の仕事や勉強

繁忙期ですと、これくらいは珍しくないかもしれません。

しかし僕は繁忙期ではない時期にこういった過重労働を経験しました。新規クライアントの監査を任されたからです。

それにあたって、

・どんな手続きが必要か、チームの方針がなかなか定まらなかったこと

・お客さんも監査対応がはじめてであった為、どんな資料をだせばよいか分かっておらず、資料の差し戻しや提出遅れが多く発生

・自分のスキルと任させられる業務レベルとの差が大きく、監査手続きの意味や目的、方法を調べながらやらざるを得なかった

・上のような状態はあったが、締切は厳守する必要があった。一方で他のアサインもあった為、業務の遅れを取り戻すために残業時間を使う必要があった。ひどいときには徹夜をせざるを得なかった。土日も仕事した。

アサインされた業務をするには十分ではない自分のスキルを補うため、本当はくたくたで休みたかったが、土日も勉強をする必要があった。

・長時間残業が常態化していたためこのままでは体調を崩すと思い、マネージャーに相談した。割り振られた業務が一部変わったが、労働時間が減ることはなかった。

 

このような状態が継続し、結果として僕はうつになり、会社を辞めました。

 

僕のように、USCPA試験を合格し、監査法人で働きたい人は多いと思います。

そういった人に問いたいのは、

長時間労働、睡眠不足でも働き続ける覚悟と体力はありますか?

・くたくたであっても、土日は勉強するほど会計や監査は好きですか?

 

監査法人で働きたいUSCPAの方にとって、この記事が有益な情報であれば幸いです。

入所して半年で実感した監査法人の嫌なところ

転職するにあたって、その転職先を知る事は大切ですが、求職者と雇用者の情報の非対称性はまだまだ大きく、企業のネガティブなところはなかなか広まらないというのが現状だと思います。

今回は私が実際に感じた、監査法人の嫌なところをリアルにお伝えしたいと思います。

 

①仕事ができない人は仕事が減る

干されるとまでは言えませんが、仕事ができない人は仕事が減っていく傾向がある事は事実です。しかもその事実は、他の人社員にも伝わります。厳しい世界ですね。。

監査法人にはアサイン表というものがあり、誰がいつどの仕事をどれくらいの期間割り振られているのかを、その社員ならば誰でも確認する事ができます。中には、割り振られている仕事が極端に少ない人がいて、その人はたいてい仕事ができないという噂が立っています。

例えば、事業会社の経理とかだったらこういう事はあり得ないと思いますが、監査法人はJOB単位で仕事が進行する為、こんな事が発生します。

私自身、仕事が減らされたとしてもむしろそれはラッキーと捉えれば、問題ないと思います。仕事が入っていない日は、オフィスでコーヒーをすすりながらネットサーフィンをしていれば給料はもらえますし。。可処分時間を十分に確保できますしね。

ただ、周りからの評価を気にする人やワーカーホリックの人は、ただ一つ、仕事ができないというレッテルを張られないようにする(=成果を残す)事が必要です。

 

➁噂はすぐにたくさんの人に広まる

監査法人はゆるやかな競争的関係を持つ人がめっちゃ多いのが特徴です。

事業会社だと、同じ部署の人間は数人~20人くらいが大半だと思いますが、監査法人だと同じ部署の人が、50人とか60人とか圧倒的に多くなります。そして、その共同体の中には、事業会社と同様にゆるやかな競争があります。

これはどこの組織でも同じだと思いますが、飲み会とかランチの話題は、そこにいない同じ共同体に属する人の話題が大半です。「●●さんは、仕事ができるorできない」とか。特に、悪い噂はすぐに広まります。ゆるやかな競争が働いているので、だれかの足を引っ張ろうとする人はいるものです。

ここで大事なのは以下2つかなと思います。

・絶対に噂をする側に回らない(噂をして良いことは一つもない)

・変な噂を流されないように、目立った発言はしない。

 

③誰も守ってくれない

事業会社では、何かに困っていると優しく声をかけてくれる先輩がいたものです。

監査法人は、誰かに何かを求めないと、誰も助けてくれません。

(固定化されたチームが無く、JOBという単位で仕事が進行する為です。。あと、オフィスの席も固定されていない)

誰か頼れる人をつくること、何か困ったことがあったら誰かに助けを求める事が非常に大切です。

数は少ないかもしれませんが、協力してくれる人はいるものです。

 

今回は、入所して半年で実感した監査法人の嫌なところをまとめてみました。

ただ、どこの組織でもいやなところはあるものだと思います。監査法人に入社してみたい人にとって、有益な情報になれば幸いです。

USCPA試験当日、あと3点稼ぐためにすべきこと

USCPAは75点が合否ラインの試験で、75点か74点かは、天と地の差があります。
75点ギリギリで夢を掴む人、74点で涙を流す人。

一番もったいないと思うのは、普段の力が出せなかった為に、74点を取る事だと思います。
(その結果他の科目合格が失効してしまうとなると。。。何とも悲しい事です。。)

しかし、ほんの少しの心がけで普段の力を出すことは可能です。
今回は私自身が実践し効果のあった、試験当日に力を発揮する為に大切な心がけを紹介したいと思います。


①試験室に騒音を掻き立てる人がいる可能性をあらかじめ想定する

 

あなたの集中をかき乱すくらいの騒音を出す人が、隣にいるかもしれません。
その騒音によって、試験に集中できなくなるかもしれません。
なのであらかじめ、「うるさい人がいるんだ」という想定をもって、試験にのぞみましょう。

 

USCPA試験は、国内受験の場合、東京か大阪のテストセンターで受験します。テストセンターでは、USCPAだけでなく他の試験を受けている方が大勢いらっしゃいます。その人の中には、キーボードを叩くようにタイピングし続ける騒音野郎や、独り言のうるさい人がいるかもしれません。

なお、試験当日は防音ヘッドフォンを使う事ができます。↓こんなやつ

 

 

SK11 作業用ヘッドホン ヨーロッパ規格品(EN352-1) SE-1Y 

これによってかなり防音できますが、防音ヘッドフォンをして防げないほどの騒音を立てる人がいたりします。(僕の場合、実際にいました)

 

なので一番大事なのは気にしない事。試験本番に気にしないようにするために、あらかじめ最悪なケースを想定しておきましょう。


➁テストレットが難化しなくても気にしない

 

難化しなくても合格できます。大丈夫です。自分を信じましょう。

 

USCPA試験は、テストレットごとに採点され、成績が良いと次のテストレットが難しくなるという性質があります。
難化している事はスコアが良い証拠だし、逆に簡単になったり難易度が変わっていないとスコアが良くなかったという事です。
難化を感じられれば良いのですが、難化を感じられない時、逆に問題が簡単になった時、精神的に崩れそうになりませんか?

 

大丈夫です!
後のMCやTBSで挽回可能です。難化しなくても合格した人はいっぱいいます。

 

僕自身、1科目目のFARの失効がかかった最終科目のREGにて、問題がまったく難化せず、テストレットが変わるごとに文が短くシンプルになっていく様を見て、

 

 「あ、終わったな。」と心が折れかけました。

 

しかしその後、何とか気持ちを切り替えて、ベストを尽くし、76点(ギリギリ)でパスできました。仮に難化しなくても大丈夫です。挽回可能ですので、自分を信じましょう。


③難しい問題はフラグを立ててどんどん後回し。簡単な問題から着手する。

 

USCPAは、比較的簡単な問題を正解すれば受かる試験です。
難しい問題を正解する事は、必要ではありません。(相対評価で採点されますので)
また、試験にはダミー問題という採点対象外の問題があったりします。

 

加えて、試験時間は3~4時間と長く、タイムマネジメントに失敗し時間がなくなると、
時間があったらできる問題も解けなくなる、つまり普段の力が出せなくなります。

 

難しい問題登場→悩む→時間をかける→時間がなくなる→普段ならわかる問題も時間がなくて解けずに終わる

 

こういう悪循環は予防したいところです。

 

あらかじめ、一つのテストレットにかける時間を決め、それを死守すること、難しい問題は解けなくてもよいという気持ちで試験を受ける事が大切と思います。

どんどんフラグをたてて、簡単な問題からやりましょう。難しい問題はなんでも良いので何か記入しておきましょう。

USCPA試験では、問題ごとにフラグ(目印)を作成する事ができます。


試験を受ける方々が、ご自身の成果を出せる事を祈ってます。

 

 

 

経理から監査に転職して気づいた監査に向いている人 向いていない人

USCPAの試験を合格し、その実績をパスポートに経理から監査法人の監査職へジョブチェンジをして約6か月が過ぎました。まだ6か月ですが、経理と監査とのギャップをひしひしと感じています。

今回は個人的に感じたギャップを元に、経理から監査に転職の転職が向いている人 向いていない人を纏めたいと思います。


①出張好きは監査向き。好きじゃない人は向いていない

(いきなりこんな話題ですが、私生活への影響度が大きいので)

監査は往査があります。

自分に任せられる仕事にもよりますが、往査先が辺鄙な地方沿線しか通っていない田舎もあります。期間も長くて数か月、その間はホテル暮らしなんてこともあり得ます。
また、ジョブ間の移動でたとえば、
月~火曜は東京で仕事をし、往査を終えた後に夜新幹線とバスで移動、水~木は地方のクライアントに往査、木曜の夜に移動をし、
金曜は大阪で仕事。なんてこともあり得ます。しんどいですよね。

 

一方、経理は監査に比べて圧倒的に移動は少ないです。
あったとしても、数か月に一度どこかの在庫の寄託先への棚卸や、違う支社や支店との打ち合わせくらいかと。(人によりますが)

 

ここから言えるのは、出張好きな人は監査に向いているし、そうでない人は進路を考えた方が良いかなと思います。

たとえば、
・出張先のおいしいごはんを食べるのが好き
・日当分のお金も稼ぎたい
・移動が好き
・ホテルが好き(会社から補助がでるので、少々良いホテルに泊まれます)
こういう人は、監査に向いているかなと思います。

一方、
・可処分時間が減るのはまじで嫌。
・家でゆっくり過ごすのが好き。
・移動が嫌い。
こういう人は、経理でいたほうがいいかなと思います。


➁個人商店的な働き方が好きな人は監査に向き、チームプレーが好きな人は向いていない

監査は、個人に対して複数の仕事(例えばA社の会社法監査。B社の任意監査。C社の・・・等)がふられます。
日によって、仕事が入っている日もありますし、無い日もあります。
また、仕事ごとに監査チームが構成されます。監査チームごとに、評価者であるマネージャーがいて、現場をとりまとめるインチャージがいます。仕事に対する関与度合いも人によって様々で、ある人は期末監査の特定の手続きのみ関与、ある人は計画から期末までがっつりと関わる人もいます。


また、仕事が出来る人には仕事が集中しますが、できない人はそういう評判が立ち、仕事が減っていく事もあります。
複数の仕事を掛け持ち、その都度メンバーが変わるので、深い人間関係は気づきにくいかなと思います。

 

一方で経理は、決められたレポートラインで、決められた席で、始業から終業まで、年間を通じて同じチームで仕事をします。
決められた人間関係を維持、構築していく困難さはありますが、「自分はここに所属している」という帰属意識は芽生えると思います。
また、たいていは部署での飲み会等があり、プライベートの時間を使いますが、深い人間関係は作りやすいかなと思います。

総じて、
・自分の評価によって、新しい仕事を得たい人
・いろんな人と関わるのが好きな人
こういう人は監査に向いているかなと思います。

一方で、
・決められた人間関係で、チームプレーの中で成果を残したい。
・職場というコミュニティを大事にしたい人
こういう人は経理の方が良いと思います。

 

③可処分時間を犠牲にしても勉強したい人は監査に向いている。ワークライフバランスを重視したい人は経理がよい

これ、ものすごく感じます。

監査は、いきなり手続きを振られて「さあ、やってください」で始まる事が大半の為、それに必要な知識(監査と会計のルール、企業環境等)は可処分時間でカバーしないといけません。また、社員全員に業務に必要なノートパソコンとスマホが貸与されていて、いつでもどこでも仕事ができます。

 

一方で経理は、決められた業務を手順通りにやる事が主眼であり、それに必要な手順から説明してくれる先輩みたいな人がいるケースが大半です。また、多少知識が少なくとも、業務を問題なく回せる知識と、人間関係さきっちりしていればOKなケースが多いかと思います。(少なくとも僕は、可処分時間を削って仕事をする事はありませんでした)

 

可処分時間を削っても、キャリアアップを図りたい人は監査は向いているかと思います。ワークライフバランスを求める人は経理がよいです。

 

今回は、私がひしひしと感じた経理と監査の違いより、監査に向いている人/そうでない人を書いてみました。
USCPAを取得し、経理から監査法人ジョブチェンジしたい人の参考になれば幸いです。